MUSIC BIRD|ラグジュアリー歌謡〜第8回「アイドル冬の時代~前編~」ゲスト:関根圭(bar plastic model)

MUSIC BIRD 123ch THE 青春歌謡【Premium】

【2017年4月〜新番組】ラグジュアリー歌謡

2017年4月1日スタート!
毎週(土)17:00~18:00/再放送=(日)15:00~16:00

●20170520 第8回「アイドル冬の時代~前編~」
ゲスト:関根圭(bar plastic model)




●20170520 第8回「アイドル冬の時代~前編~」
ゲスト:関根圭(bar plastic model)


01. 島崎路子♩クロッカス ヒルで逢いましょう ['88]
(作詞:戸沢暢美 作曲:遠藤京子 編曲:清水信之)

02. 田村英里子♩ロコモーション ドリーム ['89]
(作詞:田口 俊  作曲:筒美京平 編曲:小林武史)

03. 増田未亜♩夏の瞳 DOKI・DOKI ['89]
(作詞:竜 真知子 作曲:葛口雅行 編曲:鷺巣詩郎)

04. 河田純子♩君の夢のために ['89]
(作詞:森 雪之丞 作曲:後藤次利 編曲:難波正司)

05. 三浦理恵子♩約束のポニーテール ['91]
(作詞:和泉ゆかり 作曲:山口美央子 編曲:山川恵津子)

06. CoCo♩雨のジェラシー ['90]
(作詞:石川あゆ子 作曲:松本俊明 編曲:有賀啓雄)

07. 和久井映見♩マイ・ロンリイ・グッバイ・クラブ ['90]
(作詞:康 珍化 作曲:亀井登志夫 編曲:門倉 聡)

08. 円谷優子♩バツグンの気持ち ['89]
(作詞:康 珍化 作曲:多々納好夫 編曲:船山基紀)

09. 中嶋美智代♩思い出にもなれない ['92]
(作詞:小倉めぐみ 作曲:都志見隆 編曲:渡辺 格)

※ゲスト:関根 圭(bar plastic model)~選曲(02, 03, 04, 07, 08)

次回予告 2017年5月27日(土)・28日(日)
第9回「菊池桃子特集」
毎週(土)17:00~18:00/再放送=(日)15:00~16:00





ラグジュアリー歌謡~(((80s)))パーラー気分で楽しむ邦楽音盤ガイド538~

↓リスナーの方が放送内容を文字起こしをしてくれましたのでUPしました。<続きを読む>からご覧になれます。
MUSIC BIRD|ラグジュアリー歌謡〜
第8回「アイドル冬の時代〜前編〜」
ゲスト:関根圭(bar plastic model)
2017/05/20放送分


藤井陽一(以下、藤井) はい、どうもパーソナリティの藤井陽一です。この番組は私、藤井が監修しましたディスクガイド『ラグジュアリー歌謡』をモチーフに、80年代のポップスを中心とした、洋楽テイストあふれるコンテンポラリーな曲をお届けする「懐か新しい」音楽プログラムです。さて今回ですね、以前からずっとしたかった特集がございまして、強力助っ人をお迎えしてお送りしたいと思うんですけれども。ラグジュアリー歌謡本でも執筆していただきました、bar plastic modelの関根圭さんをお招きして、「アイドル冬の時代〜前編〜」を特集したいと思います。
はい、まずですね、本日1曲目、島崎路子「クロッカスヒルで逢いましょう」からお送りいたします。どうぞ。

01. 島崎路子♩クロッカス ヒルで逢いましょう ['88]
(作詞:戸沢暢美 作曲:遠藤京子 編曲:清水信之)

藤井 はい、お送りしました曲は島崎路子『フルーレ』、アルバム1曲目に入っている「クロッカスヒルで逢いましょう」。こちらは曲のほうが遠藤京子さん、アレンジが清水信之さんで、88年の終わり頃ですかね、リリースされたのが。すごい良い内容で、1曲目に持ってきました。とりあえず今日はさきほどもコールしましたとおり、bar plastic modelの関根圭さんをお招きしてお送りします。では関根さん、よろしくお願いします。
関根圭(以下、関根) よろしくお願いします。
藤井 はい。で、以前から関根さんとは一度こういう「アイドル冬の時代」という、ざっくりしたアレなんですけども、いろいろ当時のお話とかも聞きたいと思っていまして、実現しましたんで。今日は関根さんにいろいろ持ってきていただいて。
関根 そうですね、いろいろ持って来すぎちゃいました(笑)。
藤井 机の上がすごいカラフルな。
関根 僕の自分の部屋みたいな(笑)。
藤井 とりあえず、関根さんに1曲選んでいただきたいんですけれども。
関根 そうですね。後に話はするんですけれども、ぜひ聴いていただきたい曲です。田村英里子さんの「ロコモーション ドリーム」です。

02. 田村英里子♩ロコモーション ドリーム ['89]
(作詞:田口 俊  作曲:筒美京平 編曲:小林武史)

藤井 いやあ、最高っすね。
関根 最高っすね。「最高っすね」しか出ないのがなんとも情けないですけども(笑)。
藤井 いま間奏が、LRでほわっとなって(笑)。
関根 これは89年の3月発売ということで。「アイドル冬の時代」というのは後に作られた言葉なので曖昧といえば曖昧ですけど、だいたい88年か89年ぐらいから、99年のモーニング娘。の人気までを言うのかな、と。ということで、冬の時代の幕開けにふさわしい明るい曲(笑)ですね。
藤井 これはほんと結果論ですけど、数年前だったらもっとこうね。こんだけ歌うまいし、きれいやし、曲も良いし。
関根 そうですね。僕はもう個人的な思い入れなんですけれども、僕がアイドルの追っかけというか、アイドルというものを好きになったのがこの曲で。田村英里子さんというアイドル自身を好きというよりも、とにかくこの曲を聴いて「なんて素敵な曲なんだろう」と思って、ここからちゃんとアイドルを聴き始めたというのがあるんで。まさに冬の時代に僕はアイドルファンをスタートさせたという。
藤井 まあ、すごいタイミングというか。
関根 そう。いまのアイドルの楽しみ方である「近いところにいるアイドル」みたいなもののスタートもこの時期だったりするので、僕自身は楽しく過ごせた時代ではあります。
藤井 私、大阪なんで、こういう「現場」というのをたまに雑誌とかで見たりしてたんですけども、関根さんは実際そういうのに行かれていたと。(アイドルが)身近にいるんですもんね?
関根 そうですね。身近にいるというか、身近すぎて怖いというか。要は、いまはネットも含めてかなりパーソナルなところまで本人が発信できたりしますけど、そういう時代でもないし、とはいえテレビで見ることはできない。で、何かといったら足を運ぶしかないという、そういう時代でもありましたし。
足を運ぶといっても、べつにライブをやっているわけじゃないんですよね。まあまだ、そうはいってもCDは売れていた時代なので、CDリリースのときにリリースイベントとかキャンペーン。で、キャンペーンというのは基本無料じゃないですか。するともう、行ければ全部行く、無料なんで。そうすると結果的に全国津々浦々に行くことになったりするわけです。
そうすると、なかなか売れないアイドルだったりするともちろん電車移動ですね。1日にレコード屋さんを3箇所回るとかっていうと、全部同じ電車だったり。もちろん近寄らないですけど、ただ、そのぐらいの感覚で、「アイドルと一緒に活動している」みたいなよくわからない錯覚になって、むしろだんだん義務感になったりして。そういう感じでアイドルと接していた感じの時代ではありました。
藤井 その頃一番足を運んでいたアイドルというと。
関根 一番好きだったのは河田純子さんというアイドルで、河田純子さんのところにはよく行っていましたね。あとは増田未亜さん。関西のほうでいうと『はずめ!イエローボール』という、関テレのテニスのドラマで、これは東京ではむしろ見られなかったので、関西の人からビデオを送ってもらっていたんですけど。そのお二人の現場はよく行きましたね。
藤井 じゃあそしたら、そのお二方の曲を続けて。
関根 そうですね。どの曲も思い出深いんですけど、じゃあまずは増田未亜さんの「夏の瞳 DOKI・DOKI」という曲をちょっと聴いていただければなと思います。

03. 増田未亜♩夏の瞳 DOKI・DOKI ['89]
(作詞:竜 真知子 作曲:葛口雅行 編曲:鷺巣詩郎)

藤井 なんか、夏ですね(笑)。このね、「ハートにやさしいビスケット・ボイス」。
関根 まあ当時アイドルはみなさんキャッチコピーがありましたけれども。いいですよね、「ビスケット・ボイス」。何だろうというのはありますけども(笑)。まあでもたぶん、声量がなくて一所懸命声を出した結果、なんかこうクシャクシャっとなっちゃったものを表現したのかな、と。
藤井 よくビスケットとかを飲み物なしで食べていくと、口の中がカサカサになっていくという(笑)。
関根 そのときの感じなんでしょうね。酷い言い方ですけどね、僕ら(笑)。いや、まあまあまあ。いいっすねぇ。
増田未亜ちゃんはわりと子役からやっていた方なんで、特撮の河崎実監督の『(地球防衛少女)イコちゃん』に出たりとか、NHKの『コラ!なんばしょっと』に出たりとか、『はぐれ刑事純情派』に出たりとか。まあわりとそういうところでも活躍されていて、後にはほぼ舞台女優になってらっしゃいましたけれども。まあ、とにかくかわいかったですよ。目が大きくて、クリッとして。背が低くて、ほんとにお人形さんみたいな。
藤井 150はある感じですか。
関根 ごめんなさい、ちょっとそのへんはっきりあれですけど。好きだったんですよね。ちょっと話ははずれるんですけど、まだレコード会社主催のキャンペーンというものがよくあったりしていて。増田未亜さんは日本コロンビアなんですね。日本コロンビアは、日本コロンビアのアイドルを集めて、みんなでキューティーズっていうのを作って、オールディーズのカバーアルバムを出したりとか、けっこうそういう「同じレコード会社のアイドルを集めて何かやる」みたいなことをやっていたんですけど。
で、僕の中でそれと対をなすのがCBS・ソニー。CBS・ソニーも、その時期にアイドルを何組も集めてイベントをやったり、ビデオを出したりとか、ユニットを作ってCDを出したりとか。で、その二つは、わりと行くとほかのアイドルも見られるんで、積極的に行っていた現場ですね。
そういう意味では、増田未亜さんと河田純子さんを追っかけているときは、プラスアルファでいろんなアイドルに出会えて、そこから広がっていったりするのも面白かったですね。だいたい、一人では(イベントを)できない方が多くて、二組、三組集まっているのもありましたね。そういう時代でしたね。
藤井 河田純子さんがCBS・ソニーですよね。じゃあその、次は河田純子さんを。
関根 河田純子さん、いいですか? なんかこんな、ほぼ僕の思い出をかけているだけで申し訳ないですけども。
藤井 いやいや、思い出を今日は電波に乗せましょう。
関根 電波に乗せますか。じゃあ次の曲は河田純子さんの「君の夢のために」という曲です。聴いてください。

04. 河田純子♩君の夢のために ['89]
(作詞:森 雪之丞 作曲:後藤次利 編曲:難波正司)

藤井 いや、いまのシンセの間奏とかいいですね。音色たまんないですね、この頃の。
関根 あの、よく聴くとだいたい全部一緒なんですよ(笑)。田村英里子さんのソロも、たぶん同じぐらいな感じなんですけども。
藤井 ちょうどこの、アーリー90'sというか。
関根 そうですね、この時代の。ちょうどシンセサイザーがまたいわゆるFM音源のものからPCM音源のものが登場してきて、ちょっと生音により近いというのが売りのシンセがいっぱい出てきた頃ですよね。「より近い」だけで「本物じゃない」(笑)というところがもう一番好きなポイントなんですけど。ピアノも、ハウスのピアノと近い感じなんですけど、なんとなく全体的に軽い。あと、お金がかかってない感じ。
藤井 なんかこの例え、変かもしれないですけど、「釜で炊いたご飯」と「チンしたご飯」の、中の温もりがちょっと違うみたいな(笑)。
関根 そうそう、ちょっと違う感じ。なんですけど、やっぱり女の子たちがデビューしたてだったりするから、もう一所懸命で。
藤井 そのほうが萌えますよね。
関根 そうなんですよ。その「ちょっとだけチープなトラックで一所懸命歌う」っていうのが。いまの曲は『名門!第三野球部』という、ほぼ誰も見ていないアニメがあって(笑)、そのエンディングなんですけど。それにふさわしいというか。夕方にやっていたアニメで、ちょうどエンディングが夕焼けと合うんです。そういう時代の感じ、アイドル冬の時代にふさわしい、切ない音色。たまんないですね。
藤井 たまんないですね。ちょうど晩ご飯のにおいがしてくるような。
関根 そうなんですよ、ほんとに。その頃のたそがれ感。
藤井 セピア色の思い出ですね。
関根 『名門!第三野球部』というアニメは完全にCBS・ソニーとタイアップしてて、いまの曲もそうなんですけど、ほかに田山真美子さんの「青春のEVERGREEN」とか、中山忍さんとか吉田真里子さんの曲をずっとエンディングで使い続けて。わりとアイドル冬の時代のタイアップアニメとして貴重な番組でした。
藤井 さっきのコロンビアとソニーの話みたいに、やっぱりそうやって一つの番組で順番にタイアップしたり。またそれでいろんなユニットもやったり。一人で勝負せずにまとめてというのが、いいですね。
関根 いいですよね。今回はあれですけど、中山忍さんと河田純子さんと田山真美子さんの3人でやった楽天使っていうクリスマス限定ユニットアイドルとか。曲もめちゃくちゃ良いんですけど、3人のはかなさと一所懸命さがグッと詰まって、「天使たちのシンフォニー」という曲の天使度がグイッと増す(笑)感じですよね。いや、素敵です。
藤井 ちょうど、七つ星もメンバーがかぶってますよね。
関根 そうなんですよね。楽天使にLip'sという3人組グループと宍戸留美さんを加えて、7人組のアイドルで「七つ星」という、またこれも限定ユニットのクリスマス曲を作ったりとか。このへんのCBS・ソニーの戦略は僕らにとってはグッと来たという感じです。
で、その頃の、だいたいいま89年から91、92年ぐらいの話なんですけど、田村英里子さんというのはわりと「最後のアイドル」みたいな感じで出てきた人で。あともう一人、「20世紀最後のアイドル」っていうキャッチコピーみたいな感じで出てきた、高橋由美子さん。
藤井 ああもう。グッピーですね。
関根 高橋由美子さんというのが、この方はグラビアでかなり鳴らしていた方で。デビューしたのは90年なんですけど、90年のデビューのときからすでに大物感がすごかったんですよ。僕の印象としては、東大の五月祭という学園祭で、アイドル研究会の方が司会で高橋由美子さんのイベントをやっていたんです。そしたらその進行の方がちょっとこう、ふがいなかったんですね。途中で高橋由美子さんがマイクを取っちゃってですね、ご自分で進行を始めるという(笑)。「それでは聴いてください、デビュー曲『Step by Step』」っていうですね(笑)。これはすごいな、と。ものすごい大物感があるなと思って。そしたらやっぱり、冬の時代でもちゃんと生き抜いて。ガッツリやってらっしゃったという意味では、何組かいる冬の時代をちゃんと生き抜いたアイドルという感じでしたよね。
僕ももうちょっとかけたい曲もあったりするんですけど、藤井さんのを。
藤井 じゃあちょっとそしたらその流れで。僕もね、高橋由美子とくれば、同時期に三浦理恵子さんが大好きで。CoCoの、ええ。まあちょっと長くなるんで面白い話は置いとくんですけど(笑)。
関根 えー?(笑)
藤井 まあ簡単に言うと、夢に……当時二人とも好きで、歳が一緒なんですよ、ほとんど。高橋由美子さんが学年が一個上で、三浦理恵子さんがたぶん同じ学年で。で、夢の中で学校帰りに大阪の天王寺ってところのショッピングモールで、お昼は三浦理恵子と遊んで、夜は高橋由美子と遊ぶという夢を見たんですよね。
関根 バカですねえ(笑)。
藤井 で、当時『BOMB』とか読むと二人が仲いいとは書いてあったんですけど、翌日二人の会話で二股がバレてしまったという、アホみたいな夢で(笑)。そのときに「これは一人に絞らなアカンな」っていうのが自分の中であって。で、二人とも好きなんですけど僕はそのとき三浦理恵子さんを選んだという。
関根 なるほど(笑)。
藤井 そういう思いで、いまからかけたいと思います。ハハハ(笑)。すいません、なんか。妄想癖が強くて。
関根 曲聴きましょう(笑)。
藤井 そうですね、興奮してしまいました。三浦理恵子で「約束のポニーテール」を聴いてください。

05. 三浦理恵子♩約束のポニーテール ['91]
(作詞:和泉ゆかり 作曲:山口美央子 編曲:山川恵津子)

藤井 いやー、声がもうたまんないですね、これね。
関根 やっぱり個性、声聴きゃすぐわかるという、この当時としてはとんでもないアイドルですよね。
藤井 すごい偉そうなあれなんですけど、絶対耳がいいんですよ、三浦さんって。音を取る感じがすごい安定しててね。
関根 CoCoですよね。「はんぶん不思議」の「♪あなた意地悪」っていう、あのひと言だけでもう。
藤井 お笑いでいうと……まあ言い方が出てこないですけど(笑)。
関根 なんだよそれ(笑)。まあたぶんそういうことでしょうね。
藤井 そういうことですよ(笑)。
関根 あれはすごい爆弾ですよね。それこそいまの、高橋由美子さんがアイドル冬の時代を泳いでいらっしゃったときに、トップアイドルですから。例えば中山美穂さんとか酒井法子さん、工藤静香さんを含め、そういう冬の時代の前から活躍されていた方々は、アイドルといってももうアーティストに近いところになっていて。僕らの方のアイドルという中でいうと、おそらくトップがCoCoだったんじゃないかと思うんですよ。オリコンチャートにもちゃんと入ったし、テレビにも出てたし、鶴瓶さんとかと絡んだりとか、すごかったんで。そのCoCoの中でも、いちばんパンチがありましたよね。
藤井 そうですね。もう、アカレンジャーですよね。
関根 アカレンジャーですね。たぶん、それが嫌だ、という人もけっこういたはずなのに、それでも包まれてしまうというスター性、というんですかね。
藤井 CoCoってやっぱり5人のバランスが良かったですよね。
関根 良かったですね。まあ僕は、宮前真樹さんだったんですけどね。
藤井 でもまあ、ほんと多いですよね、好きな人。三浦さん、瀬能(あづさ)さん、まきぼー、みたいな。
関根 宮前真樹さんもやっぱり、CoCo以前にグラビアでけっこう活躍されていたんで、その辺好きだったんで出てきたときはうれしかったですね。で、CoCoとribbonと、Qlairとか、ソロでいうと堀川早苗さんとか花島優子さん、中嶋美智代さんとかがいた「乙女塾」の番組が、「パラダイスGoGo!!」っていう。おニャン子クラブの「夕やけニャンニャン」の後というか、しばらくあいてですけど。それはでもほんとに、冬の時代の救いの番組というか。じつはアイドル番組ってけっこうあったんですけどね、「桜っ子クラブ」とか「パオパオチャンネル」とか。でもどうしても色物を交えないとできない中で、CoCoはほんとにスター性があったなという感じしますね。
藤井 じゃあCoCoを1曲かけていいですか。1stアルバムの『Strawberry』から、あの曲を聴いてもらいましょう。「雨のジェラシー」。

06. CoCo♩雨のジェラシー ['90]
(作詞:石川あゆ子 作曲:松本俊明 編曲:有賀啓雄)

藤井 いやあ、なんかちょっとキュンときますね、もうほんとに。特にこの1stアルバム『Strawberry』は名曲ぞろいですね。「EQUALロマンス」、「はんぶん不思議」……。
関根 「EQUALロマンス」は、いま聴いても、例えてもわかってもらえないかもしれないですけど、ものすごいイギリスの香りがしますね。
藤井 わかります。ほんと、イギリスと、あとイギリスのバンドがオランダとかドイツに行っている感じの曲ですよね。
関根 わかります、なんとなく(笑)。
藤井 イギリスじゃ流行んない感じ。
関根 ああそうですね、イギリスのアーティストが海外でヒットしたときの感じの曲(笑)。そうなんですよ。あれをデビュー曲に持ってくるっていうのが。
僕、いちいちいろいろ考えすぎなんですけど……冬の時代ってどうしてなったのかは諸説あると思いますし、バンドブームが出てきたとかいろいろあると思うんですけど、僕ね、「昭和から平成に変わった」というのも大きいかなと思うんですよね。要するに、ちょっと「明るい音楽を歌っちゃダメ」みたいな空気があったのかな、なんてことを考えていて。それがちょうど89年(1月)なんで。なので、この頃からデビューするアイドルのデビューシングルは、マイナー曲が多いんですよね。
藤井 いままでの明るい曲が、そっちに移行している時期。
関根 まあ他にもいろいろ要素はあったのかもしれないですけど、それこそCoCoの「EQUALロマンス」もそうだし、いろいろな曲がしっとりとした曲で。で、なかなか10代の子はしっとりとしたデビュー曲に食いつくというほど洗練されていないと思うし。そういう意味では、若い人が音楽としてアイドルの曲を聴かなくなった時期というのは、そういうことがちょっとあったりするのかななんて思ってみたり。
ちょうどその頃から、女優系とか、アーティストっぽい雰囲気でアイドルの人が出てくるとか、あとガールポップって言われる、加藤いずみさんみたいな「アイドル性を持ったポップスシンガー」みたいな人がどんどん出てきて、なんとなく「大人の音楽」をみなさんが楽しむようになっていく時代。
藤井 一昔前の、ニューミュージック流れでいうと岡村孝子さんとかああいう感じのテイストも入った女性アーティストが。
関根 そうですよね。で、そういう人たちもグラビア誌があって、そのグラビア誌に「かわいい」ということでファンが付く。すると純粋にただ歌だけ歌っているアイドルという子たちの価値みたいなものが下がってしまうという、そういう時期だったのかなという気がしますね。
藤井 こうやって話を聞きながら照らし合わせていくと、なんとなくつながりますね。そこまで考えたことなかったので、なるほどなーと思って。
関根 考えすぎなんですよ。
藤井 そんなところがいいと思います(笑)。
関根 そんな話をしながらなにをかけようかなと考えていたんですけど、これかな。女優さん兼ボーカリスト、みたいな中で、わりとちゃんとアイドルっぽかった人が、じつは僕はこの人じゃないかなと思ってて。和久井映見さんの「マイ・ロンリイ・グッバイ・クラブ」というデビューシングルを聴いていただければと思います。

07. 和久井映見♩マイ・ロンリイ・グッバイ・クラブ ['90]
(作詞:康 珍化 作曲:亀井登志夫 編曲:門倉 聡)

藤井 はい、今日はですね、bar plastic modelの関根圭さんをお招きして、「アイドル冬の時代〜前編〜」と題して特集しております。和久井映見さんのデビューシングルでした。
関根 デビューシングルですね。和久井映見さんって、わりと端役というか、小さい役から含めるとけっこう昔から女優さんとして出ていらっしゃって。この頃はわりと新人というか、主演をやる前くらいだと思うんですね。その頃にポリスターがデビューさせて。で、ちょっと大人っぽい感じではあるんですけど、ちゃんと歌手としてやってらっしゃる感じがすごくグッとくるというか、好感が持てるというか。意外とシングルを何枚も出していて、アイドルとしてもとてもかわいい方だと。今もかわいいですよね。
この頃、ポリスターが「ニュー・アダルト・ミュージック」というジャンルを提唱していて。これはすごい僕が好きなジャンルなんですけど。要は演歌と歌謡曲・ポップスをつなげる新しい音楽ジャンルを作ろうというので、城之内早苗さんとかそうなんですけど、いろいろがんばろうとポリスターさんがやっていたんですけど、なかなか定着することがなかった。僕はある意味、和久井映見さんのこの曲とかは、ニュー・アダルト・ミュージックというジャンルの中の成功例という感じがしましたね、当時。はい。
藤井 ニュー・アダルト・ミュージックって、関根さんから何年か前に教えてもらったんですけど、こう音と会話とかしながら聴いているとわかりやすいですね。
関根 そうなんですよね、こんなかわいい女の子が歌っているけど、わりかしムーディーっていう。このギャップがいいんですよね。
藤井 ジャケットも、服装もそうですけど、アイドルというより女優さんの、シックでコンサバ的な感じですよね。
関根 時期はもうちょい後になるんですけど、裕木奈江さんがね、わりと細野晴臣さんの曲を歌ったりとかっていう、違う意味でのポップスとの融合みたいなものをやっていたってところでいうと。明るい方の和久井映見さんと、ちょっとしっとり目の裕木奈江さんとか、この辺の女優さんの方々の曲っていうのはわりとこの時期面白い曲が多いなと思います。
藤井 確かに時代が見えます。
関根 あとはほんとにすごい好きな、山口弘美さんっていう人がいるんですけど、この人はなかなかちょっと説明がしづらいので。「撮りっきりコニカ」のCMに出ていた女の子というので。この方の曲もわりとみんないいんですけど、またそれはそれでいずれかけられるなと思います。
藤井 レーベルがハミングバードですよね。やっぱりこの辺、ちょっとお姉さん的な感じですよね。
関根 まあそうですね。おそらく年齢はそんなに変わらないはずなんですけど、なんとなくみなさんお姉さんっぽいという。これは時代としてどういう感じだったのかな、というのは考えてみたいなと思いますけど。
藤井 当時の大学生のお姉さんとかも、キャンパスにいるだけでちょっとお姉さんに見えるみたいな。肩パットが入ってて……
関根 いわゆるボディコンの時代ですからね。憧れますね(笑)。
藤井 いやもう、永遠の憧れで(笑)。ちょうどあの頃、CMとかでも牧瀬里穂さんとかそういう方が。女優さんですかね、どちらかというと。そういう方が歌をいろいろ歌ってらして。93、94年くらいとかになるんですかね。
関根 や、90年頭ぐらいから93、94年ぐらいまで。でまあその頃から……観月ありささんが91年にデビューされますけど、その後は「小室系」に移っていくんで。まあ小室系というのもまたいろいろと難しい話になると思うんですけど、その辺の時代かなという感じがしますね。
藤井 いろいろ、こうやってまとめてジャケットを見ながら……見せられないのがちょっとあれなんですけど(笑)。時代、いいですねこの時代は。うん。
関根 まあやっぱり、アイドル冬の時代とかざっくり言われてますけど、CDはまだまだちゃんと売れていた時代なんで。
藤井 ですよね。けっこう、有名な曲ありますからね。
関根 そうなんですよね。僕が今日持ってきたものはほぼ全部「8cm CD」と言われる当時のフォーマットですけど、8cm CDの時代ってじつは日本でもっともシングル盤が売れた時代でもあるんですよ。93年ぐらいにバブルが最終的に崩壊ってことになりますけど、88年に8cm CDというものが登場して、それからの何年間か、それからバブル崩壊以降も、いわゆるミリオン、ダブルミリオンというのが出てきた時代でもあるんで、結果的には売れているんですね。ただ、どうしてもアイドルというジャンルが厳しかったというだけの話なんですよ。だから、ちゃんとCDはリリースできていたので、こうやっていま僕らが楽しむことができるんですよね。
藤井 確かに。モノとして残ってますからね、たくさん。
関根 そういう意味では本当に「冬の時代」だったのか、というのもちょっとあるんですけど。まあたまたま、ということですよね。
藤井 後から振り返ったときに、その前の黄金時代があるから、ってだけの話ですよね。その時はちゃんと陽が当たってますからね。……深いですね、こうやって話してみると。
関根 面白い時代ですよね。アイドル冬の時代というのと、8cm CDの登場〜活躍時期がほぼ一緒という。
藤井 ちょうど88〜89年に切り替わりますもんね、CDに。
関根 そうですね。時代の徒花感のある8cm CDですけど。
藤井 ちょうど昭和から平成にっていうね。
関根 そうですね、変わってきたときだし。日本レコード協会というところに昔、話を聞きに行ったときに、80年代後半から90年代に8cm CDが登場したぐらいって、もっともシングル盤が売れた時代だと。理由っていうのは、おそらく当時までの歴史上、10代のひとがシングル盤をあれだけ買った時代というのはないらしいんですよ。それはやっぱりバブルの恩恵を10代のひとがちゃんと受けていて。いままではアルバムを買ってシングルの曲を楽しむというのがお金のない時代の楽しみ方だったのが、全部シングルを買えていた。その時代は、やっぱり特殊なんですよね。
藤井 親御さんがバブルの時代で。
関根 お小遣いをちゃんともらえていたということですよね。その時代に出ていたものなんで、8cm CDの時代は、CD文化としてはとても盛んだった。あんまり「冬の時代」だからといって、全然ダメだったというわけではないんですよね。
藤井 また別物ですからね。本当に冬の時代だったとしたら、たぶんこういうふうにならないですよね。
関根 ならないですよね。僕らも「あの時代のことはしゃべりたくないです」みたいになっちゃいますからね(笑)。そういう意味では面白かった時代なんですよ。
藤井 じゃあなんかこの辺で1曲かけたいですね。
関根 どうしましょうかね。かけたい曲かけてるだけでもいいですか(笑)。では円谷優子さんの「バツグンの気持ち」という曲を聴いてください。

08. 円谷優子♩バツグンの気持ち ['89]
(作詞:康 珍化 作曲:多々納好夫 編曲:船山基紀)

藤井 はい、円谷優子さんで「バツグンの気持ち」。これは何枚目のシングルですか?
関根 2ndかな。「HELP」の次だと思いますね〔実際は3rdシングル〕。
藤井 あ、たしかこれがアルバムですよね。2ndは聴いたことがある気がします。
関根 これは作詞家の康 珍化さんが歌唱力をすごい評価されて、デビュー前から肝いりで鍛え上げて、それでずっとプロデュースをされていたんですね。円谷さんという名字も珍しいですけど、あの円谷英二さんのお孫さん。円谷プロですね。そういう、いろいろ話題もあったんですけど。すごい歌唱力もあって、パンチもあって、なんか売れるんじゃないかな、と思いながらもなかなか厳しかったんですけれども。
藤井 まあ、この頃時代的に女性ボーカルがすごい多いですよね。
関根 そうですね。だからまあ、実際この子はアイドルなのかと言われちゃうと、微妙ですよね。まあ当時アイドルとしてデビューされていたので、もちろんアイドルなんですけど。
藤井 これ『ツヨシしっかりしなさい』のテーマソングですよね。
関根 ああそうですね、ドラマの。であの、当時円谷優子さんがラジオたんぱというですね(笑)……ラジオたんぱの話をしたいんですけど、もうすぐ終わっちゃうのでね。たぶん1時間くらいは話せるんですけど、ここ(MUSIC BIRD)でラジオたんぱの話をするのもおかしいんでアレですけど(笑)。で、ラジオたんぱでDJをやられていて、それのファンでもあったというので。じつは、冬の時代も含めてやっぱり、アイドルとラジオの親和性というのはすごくあるんですよ。
藤井 確かに。
関根 なぜこの時間になってからその話をするのかというのもあるんですけど(笑)。本当はその話もしたいなと。
藤井 ちょっとそれはまた次、続編の機会を絶対作るんで、ぜひお願いします。気になって寝れないです、逆に(笑)。もう時間がけっこうあっという間ですね、今日は。
関根 なんかね、しゃべり過ぎちゃいましたね、お恥ずかしい。酒も入ってないのに(笑)。
藤井 いいすよ、この感じが。じゃあ一応、今日最後1曲かけて、次回に続く感じで、はい。
関根 ありがとうございます。
藤井 今日はゴールデン街の昭和50年代バー、bar plastic modelのマスター、関根圭さんにお越しいただきまして、「アイドル冬の時代〜前編〜」ということでお送りしました。ありがとうございます、楽しかったです。じゃあちょっと最後の曲。さきほど乙女塾の話のときに思い出してかけたかった曲で、中嶋美智代で「思い出にもなれない」を聴きながらお別れしたいと思います。今日はどうもありがとうございました。
関根 どうもありがとうございました。

09. 中嶋美智代♩思い出にもなれない ['92]
(作詞:小倉めぐみ 作曲:都志見隆 編曲:渡辺 格)
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プロフィール

藤井陽一

Author:藤井陽一
<発売中>
ラグジュアリー歌謡〜(((80s)))パーラー気分で楽しむ邦楽音盤ガイド538〜
(DU BOOKS刊)

「ラグジュアリー歌謡 X Tower to the People」シリーズ
伊藤つかさ『つかさ』
伊藤つかさ『さよなら こんにちは』
伊藤つかさ『タッチ』
伊藤つかさ『ふしぎの国のつかさ』
伊藤つかさ『オススメ!』
伊藤つかさ『夢の振子』
小山茉美『VIVID』
萩田光雄『シークレット・ラヴ』
風見りつ子『アヴァンチュリエ』
伊藤つかさ『ト・キ・メ・キ ライブ +6』
藤村美樹『夢恋人+2』
田中美佐子『スペインへ行きたい』
手塚さとみ『15才の肖像』
鳥越マリ『SEASON+4』
小川知子『Milky Way +2』
斉藤とも子『ありがとう あなた
斉藤とも子『たけくらべ +2』
桑田靖子『バケーション +2』
つちやかおり『BLACK & WHITE +3』

(((Works)))

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